実話〜頭文字(initial)─K─



「おいっっ!何してやがんだ!お前らっ!」


門の前に停めてあったKさんの愛車《サニートラック》の周りでは、こともあろうにミニパトの婦警さんがしゃがみ込んで、白いチョークで《駐車違反》の目印を付けているではありませんか!


Kさんの怒鳴り声に、気の強そうな婦警さんはチョークの粉の着いた手をパンパンと払いながら立ち上がり言うのです。


「これ、アナタの車ですか?ここ駐車違反ですよ!」


「そんなこたぁ~わかってるよ!」


「わかっていてやるなんて、ずいぶん悪質ですね。ダメですよ!車はちゃんと《駐車場》のある場所に停めてもらわないと!」


婦警さん……アナタの仰る事は、確かに間違ってはいません。


しかし、このタイミングで、そしてこの人を相手に言う台詞としては不適切だと思いますよ。


だって、Kさんの車の駐車場というのは……
















「バカッタレェ~!
俺んちの駐車場は、お前らのパトカーが停まってるあの場所だああぁぁ~~~っ!!」



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