実話〜頭文字(initial)─K─
婦警さん達も、ずいぶん悩んだに違いありません。
レッカー移動という強行手段に出る選択肢もあったのでしょうが、何しろ場所を借りていた家の主人に駐車違反キップを切ろうとしたという負い目もあったのでしょう。
それ以上に、この上レッカー移動などしようものなら、Kさんがどんな行動に出るかと思うと、とてもそんな勇気が湧かなかったのかもしれません。
結局、彼女達はこの事を上司に相談し、なんとか穏便に処理して貰おうという結論に達しました。
そして、Kさんが家に入ってからおよそ1時間が経ち、婦警達は上司の男性警察官と共にKさんの家を訪れたのでした。
Kさんといえども、分別あるしっかりとした大人です。
上司を連れて謝罪に行けば、そうそう話がこじれる事も無いでしょう。
何しろ、その謝罪の為だけにわざわざ署から上司が出向いてくれた訳ですから。
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