実話〜頭文字(initial)─K─
Kさんと子豚



「なぁ、これ…どうしたんだよ?」


農家をしている実家へと遊びに来たKさんは、その生き物を興味深そうに眺めながら、そう尋ねました。


Kさんの親父さんが答えます。


「それ、近所の畜産農家から貰ってな」


それは、一匹のまだ小さな子豚でした。


「へぇ~おもしれぇ♪」


畜産農家でもなければあまり見る事の無い生きた子豚を、Kさんは嬉しそうに目を輝かせながら抱き上げます。


「欲しけりゃ、持って帰っていいぞ」


「ホントか?」


Kさんは、まるでオモチャを与えられた子供のように喜んでいました。



……そんな訳で


ドーベルマン、ボクサー、ブルドックというKさんちの三匹の犬に、この日新しくこの子豚が仲間に加わったのです。











ちなみに、例によって
名前はありません……



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