実話〜頭文字(initial)─K─



☆☆☆☆☆



「うわっっ!」



Kさんのすぐ目の前まで迫り来る軽自動車!


もはや逃げる事さえ出来なかったKさんは、目を瞑りおもいっきり手を突き出して体を守るのが精一杯でした!



グシャ



鈍い音がして、軽自動車とKさんは激突!



軽自動車とはいえ、相手は1トン近い《鉄の塊》です。


それなのに……















「……あれ?」




目を開けたKさんの前にあったものは、見るも無惨なクシャクシャの軽自動車。


対するKさんは、傷ひとつ負っていません。




アンタは《サイバーダイン》社製のアンドロイドかっ!


軽自動車を運転していたのは、二十代位の若い女性だったそうです。


顔面蒼白になってハンドルを握り締めているその女性に向かって、Kさんは……


「お~い!大丈夫か~?」



逆だろっ!



Kさんが無事なのに安心する反面、有り得ない状況にパニックになる運転手の女性は、とにかく泣きそうな顔で「すいません!ごめんなさい!」を連発していました。



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