実話〜頭文字(initial)─K─
『あのね……今度はドアが落っこっちゃったの……』
「は………………?」
奥さんの返答に、思わず持っていたケータイを落としそうになってしまったKさん。
「今、なんて言った?」
『だから、ドアが取れちゃったのよ』
「どんなぶつけ方したらドアなんて取れるんだよっ!」
『だってドア開けてバックしろって言ったじゃない!』
奥さんはKさんが教えた通りに、運転席のドアを開け、そこから顔を覗かせてバックしていたそうなのです。
ところが、奥さんは自分の車のバンパー周辺ばかりに意識を集中していた為に、車の外側50センチ…ちょうど開けたドアが届く距離に建っていた電灯の鉄柱の存在に気付かずにいたのでした。
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