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水の重みで歪んでいる天井からは氷と水がゆらゆらと波紋を作り、2人に今にも襲いかかろうとしていた……




ミシミシミシミシ……


こんな量の氷水が流れ出してきたら…


2人の脳裏にカチコチに凍る自分の姿が浮かぶ……




「…じょ…冗談じゃねぇ…!」

「…冗談なんか言ってないわ…。……さぁ……時間が無いわよ…」


ビィィィイイイイ!
00:01:01…

ビィィィイイイイ!
00:01:00…

ビィィィイイイイ!
00:00:59…




ついに1分を切った…!




ポタッ…!




「…痛ッ…!!」

天井の亀裂から人差し指に水滴が落ちた…


水滴は指を包むと、すぐに氷と化した…


別の指で氷を払おうとしても、完全にへばりついて取れず、むしろ人差し指は何を触れても感覚がなく、いつしか機能を失っていた……






「……クソッ!!……クソッ!クソォォオッ…!」
テーブルの前に足を運ばせ、テーブルの上に転がっている包丁を手にした。

「……み…南沢くんッ…!!」



永澤の声など届いていなかった…






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