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首のない大和田の体がバタリと倒れると背にしているドアからカチャリと音が聞こえた。
「………おいっ…!」
岡本だけがその音に気づき、南沢らを退(ど)かしながらドアを開けた。
顔に付いた血を服で拭うと、南沢もドアが開いているのを目で確認する…
コンクリートの壁いっぱいに血が広がっている光景はまさに地獄絵図……
「……行くわよ…!」
武本は状況を把握すると眉間にシワを寄せながら扉の先へと足を進めた。
「…私たちも行きましょう………はるなちゃん…立てる…?」
永澤もなんとか意識を整えると腰を抜かした新島を肩で持ち上げて先へ向かった。
「……………」
長瀬もしっかり目に焼き付けると、黙って部屋を後にした。
「……ぐっ…!」
瞼を強く閉じ、南沢も後ずさりするように部屋を出た…
バタンッ…
とにかく脱出はできた……
そう思っていた………
「……な…何だよこれ…!?」
扉をくぐると5人が棒立ちになって立ち止まっていた……