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「……ほらっ…お前の好きな例の事件だ…!」

ずんぐりむっくりの原田が携帯を持った手で腕をトントンと叩いてきた。





原田警部とはかれこれ5年の付き合いになる。



だがここ3ヵ月で起きている連続殺人事件はその5年間で起きたどんな事件よりも解決することが難しい…

いや…

今までに起きた事件が一度に起きたとしても、現在追いかけている事件の方が難しいだろう…








ウゥゥウウウ…


現場に着いた途端に気合いが入る。


「……桜田くん…いいかね…!……私は絶対にこの事件を君と一緒に解決したい…!例え殉職したとしてもだ…!!」
「…はい!」
そう残すと助手席のドアを開けて勢いよく飛び出した。

警部から先月プレゼントされたクラウンを更に路肩に詰めて、桜田も後に続くように車から降りた。





「……こちらです!」
何人かの捜査官が敬礼する中を原田から白い手袋を借りながら進む。






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