ミッドタウンに恋して
第三章

偽ホスト

「ちょっとあんた、なんなの?」

 「…」
ホストは超気まずそうな顔をした。
多分聞かれてるとは思ってなかったっぽい。

 「どこのホストだよ!ふざけんなって!」

 「は?…ホスト?」

ホストは「何言ってんの?」って顔をした。

ホスト系のそいつはグラサンに無精ヒゲに茶髪で、
気崩したスーツに若干えり立てって感じのファッション。
こんなん絶対サラリーマンではないわけよ。
ってかホストじゃん!

 「あーくそっ、ここのスタバ、
無線LAN使えるから居心地良かったのに…」

何言ってんのこいつ?と思ってチラ見したら、
なんか高そーなパソコン持ってんの。
あーこれiPod出してるアップル社のやつじゃん。Macじゃん。なにこいつ金持ちじゃん。っていうかよく見たらイケメンじゃん!

 「あ…っと、ごめんなさい。」

あたしは、とにかく急いで謝った。
すると、ホストがこっちを見た。
なんか怯えてるっぽい。

 「え…?」

 「あの、怒鳴ったりしてごめんなさい…。
あの、あなた、ホストさんですよね…?」

 「は?いや…俺は別にホストじゃ…」

 「じゃあ、なにしてるんですかっ」

 「…Web系の仕事…?」

なんのことか一瞬分からなかったけど、
ウェブってインターネット?

それ、ITってこと?

え、金持ちじゃね?ガチでヒルズ族じゃね?

つか、すごくね?ITとかかっこよくね?

続く。
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