イジ恋



「………っ」



泣くな馬鹿。
しっかりするんだ!



「弥生を騙してたんじゃない…騙したくて海斗のフリをしたんじゃないんだ…」



「…じゃぁどうして?!」



「俺を忘れてたから…海斗を覚えてるのに…俺は忘れてた。それが虚しくて…悔しくて…それに俺のせいで男性恐怖症になってた。」



「…………」



「せめてー今からの記憶を良くしたかった。男性恐怖症が治ったらいいって…ごめん。全部俺のためだな…」



「…全部、海司君のため?」



「俺を好きになってほしかった…海斗じゃなくて俺を…」



「………」



それってさ……




< 58 / 61 >

この作品をシェア

pagetop