ADULT CHILDREN
ある日、雄太が紙ヒコーキを作って父と母に自慢げに見せた。
すると二人は大喜び。
カメラまで取り出す始末だった。
「上手ね!」
「雄太はすごいな!」
その光景を目にした私は
弟のように何かを作れば褒めて貰えるのかとすぐに部屋に向かい、折り紙で色んな物を作った。
沢山褒められたい。
そんな思いから難しい物ばかりを選び、数も多く作った。
両手いっぱいの折り紙を期待で弾む胸の前で抱え二人の元へ向かう。
期待が簡単に破れるとも知らず顔を綻ばせて。
「見て!私も作ったの!」
「おー…」
テレビを見ながら父は一瞬、ほんの1秒だけ私を見てテレビに視線を戻して言った。
母は何も言ってくれなかった。
完全に無視だった。
期待が破れたからといって諦めようとはしなかった。
いつか必ず愛してくれる日が来ると
小さな胸に期待を抱き、少しも疑ってなどいなかった。