ADULT CHILDREN
「これ何か知ってる?」


「なんですか…」


男は銀紙をちらつかせた。。


「これ使ってやるとね、すごい気持ちいいんだよ」


ガラスで出来たストローと白い粉を出し、私に見せ付ける。


それでピンときた。

前に後藤さんに聞いた事があったから。


覚せい剤。


それを見て冷静を装っていた私の表情は一辺した。



「一緒にこれ吸って気持ちいいことしようよ」



男は銀紙を火であぶりながら白い煙を吸う。



「ほら吸って」


それを差し出された私は息をとめ、手の平で鼻と口を被い、足で後ろに体をずらしながら言った。



「覚せい剤はしたくない…」



「じゃぁ覚せい剤なしでやる?」



首を大きく横に振る。



「どっちかにしてよ」



何度言われても首を横に振った。


そんな私を見て
彼等がため息をつく。



諦めてくれたのかと安心したのは束の間だった。
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