ADULT CHILDREN
でも、鍵がかかって開かない。



「帰れないって言ったでしょ?」



しゃがみこんだ私を男二人が引きずりながらベッドへ運ぶ。



怖くて、涙が出て
呼吸が上手くできない。



舌を噛んだ男が私の顔をまじまじと見た後、思いっきり頬を殴って血のついた舌を伸ばす。



「血が出ちゃったじゃん。こういう事したらねぇ、もっと痛い目に合うんだよ?」



そう言って今度は頭を平手で押すように殴りつけた。



「…ごめん…な…さ…」



泣きながら声を出した。



「やるから…殴らない…で…」



もう殴られたくなかった。


親に殴られた場所を
何度も殴られるのは辛い。



「わかった。もう殴らないよ」



男は優しく言って私の首元にキスをする。



< 160 / 719 >

この作品をシェア

pagetop