ADULT CHILDREN
部屋に鞄を置いて特等席の祖母の隣に身を置く。


「今日の夜ご飯は何作るの?」


二人でひなたぼっこしながら話す。



「今日はお刺身が安かったからそれと大根の煮物とね…」



「じゃぁ手伝うよ」



「今日はもう全部終わったのよ。」



「そうなの?早かったね」



しばらく音楽だけが流れた。


私は祖母に最近流行っている物や、よく読んでいる本を見せたりした。



「今の時代はいいね。ばあちゃんの時は何にもなかったから羨ましいよ」



祖母は自分が小さな頃の話をしてくれた。


祖母の実家は農家で、祖母は4才くらいから朝5時に起きて親の手伝いをしていた事。


食べるものがなくて、毎日家で作った芋や野菜ばかり食べていた事。


そこには私の知らない祖母の人生があった。



ずっとへぇって言ってたような気がする。


食べた事のない料理や、聞いた事もない遊び。

ひとつひとつに驚くばかりだった。

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