ADULT CHILDREN
「私は小さい頃からお母さんに反抗もしなかったし頭だって悪くはなかった。
小さい頃から妹の面倒ばかり見て友達とも遊べなかったのよ!
お父さんはお母さんに暴力振るうし、私だってボッコボコに殴られてたんだから!
その気持ちがあんたにわかる?
それに比べたらあんたなんて幸せすぎる程よ」






母の話はこうだった。




「ねぇお母さんっておじいちゃんに殴られてたんでしょ?」



もう一度祖母に聞いた。



「いや、暴力はなかったよ」


やっぱり母は嘘をついていた。



そんな意味のない嘘はしょっちゅうあった。


内容の大半が
「自分は可哀相なんだ」と主張するようなもの。

他は
「自分は特別である」
というようなものだった。


そんな嘘をつく理由が私には理解できなかった。


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