ADULT CHILDREN
母はまた聞き飽きた言葉を怒鳴り散らす。



「おまえなんか私の子じゃない!!私からおまえみたいな子が産まれてくるわけない!!」



「はいはい」



「おまえなんか死んでしまえ!!死ね死ね死ね!!」



狂ったように母は私に近寄り首に手をかける。



そこで我慢の尾が切れた。



「うるせぇくそばばぁ!!てめぇがくたばれ!!」


おもいっきり母を突き飛ばした。


私はこの時、初めてやり返した。


母の頭を殴り、爪で腕をひっかく。


母は負けじと私をひっかき、腕に噛み付いた。


そこに父が止めに入る。


「何をしてるんだ!!やめろ!!」


私にも、母にも父の声など耳に入らず
ただひたすらと互いを傷つける事に夢中だった。


憎しみは

叩いても
殴っても
引っかいても


全然消えてはくれない。



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