ADULT CHILDREN
週2回のスイミングスクールのおかげで、2年生になる頃には25メートルを泳げるようになっていた。


それと同時に一人でお風呂に入るようになる。


一人で入るお風呂は楽しくて、よく長時間入っては母に怒られた。



学校生活にも慣れきった頃、私は発作を起こし学校を休んだ。


気管支喘息。

ついでにアレルギー体質だという事もわかった。


両親に喘息はなく、アレルギーもない。
祖母、祖父、親戚にもいない。

山や海が近く自然の多い、空気も綺麗な町に住んでいる。
なのになぜ喘息になったのか。


大体の予測はつく。

家の埃が凄かった事。

母は掃除が苦手だった。

見える場所はある程度綺麗にできても
テレビの下などの目につかない所は埃だらけで、部屋の窓付近にはよくカビが生えていた。


そして、タバコを1日に何箱も吸うヘビースモーカーだった事。



夜中、発作が出て苦しいと泣くと母は吸入の準備してくれた。


吸入する私の横でタバコを吸う母。


「苦しい…」


そう言っても母は火を消す素振りさえ見せない。


「仕方ないでしょ」


そう言って
吸入する私の隣で煙をぱぁーっとはいていた。



< 19 / 719 >

この作品をシェア

pagetop