ADULT CHILDREN
3人でカラオケに入る時、けんちゃんの時とは違って店員や周りの目が気になった。


明らかにおかしな組み合わせだったから。


恐らく店員も感づいていたと思う。



部屋に入ってまた紗枝が歌うのかと思ったら今度はひたすらデカパンおじさんが歌う。


そしてそれを聞いて紗枝がベタ褒めする。


ずっとその繰り返し。


私も紗枝の真似をしてベタ褒めした。


おじさんは満足そうに3時間も歌い続けた。



私と紗枝は一度もマイクを持つ事はなかった。


満足したおじさんは私と紗枝に一万五千円ずつくれた。


そして店を出て手を振って終了。



その日だけで3万5千円もの大金を手にした私は嬉しくて舞い上がっていた。


だけど、不安も大きかった。


捕まらないか、もらったはいいけどどうしようとか。


二つの感情が混じって
なんだか変なテンションだった。




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