ADULT CHILDREN
「今日はほんっと、楽に稼げたー!」


暗くなり始めた7時前、私と紗枝は駅前の大きな階段に座り話していた。



「いつもはもっときつい?」



「そりゃあね。体はってますから」


「あ、そうだよね」


「そうだよ、だから普通なら2万稼いで1日終了って感じ。4万稼ぐ時は流石にきついよ」



なんだかいけない事を聞いてしまったと言葉を詰まらせた。



「体売るって罪になるとか言うけど、親にここまでされちゃ罪も何も感じられないんだよね」



体を売った事はなくても
その気持ちはわかる気がした。



「なんか相手はオヤジなのに会ってると安心するんだ。自分が居ていい空間がそこにあるからかな。
あ、顔は別だよ?親父が好きってわけじゃないからね!」


慌てフォローする紗枝にわかってるよと笑った。

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