ADULT CHILDREN
「勝手に触んなって言ってんだろ!!」


慌てて鞄を母から引っ張り取りあげた。


見られたらやばい…――


「早く出てけよ!!こっちは体調悪くて休んでんだよ!」



そう言うと母は立ち上がる。


出ていくんだと思って安心した。



でも母はそんな物分かりのいい人間ではない。



「この中に入ってるんだな!!」


母は私の手から鞄を取り逆さまにして中身を全て出した。


あれはペンケースの中。


私は直ぐさまその中からペンケースを拾った。


するとそれを見た母が私の腕を掴んでペンケースを取ろうとする。


腕や背中を殴られてもしっかり持っていた

はずなのに、

私はまた母に後ろから首に手をかけられ、力が抜けペンケースを落としてしまった。


< 220 / 719 >

この作品をシェア

pagetop