ADULT CHILDREN
「あ、うん大丈夫。地元の友達当たってみるから」


「本当に大丈夫?」


「うん、大丈夫大丈夫!」



嘘。

紗枝に迷惑をかけてしまうと思うと
言えなかった。



「もし行く所なかったら電話して?どうにかするから」


「うん、もしそうなったら電話する」



もちろん、そんな気は全くなかった。



夜。
鍵を持っていない私達はけんちゃんの帰りを待っていた。


けんちゃんが帰って来たのは23時を過ぎていた。


「またおいでね」


そう言われて紗枝と二人、マンションを出る。


駅前で紗枝と別れた私は駅のホームまで走った。


だけど残念な事に

最終電車は私を置いて行ってしまった。


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