ADULT CHILDREN
「あ、ごめんね。ちょっと出てたんだ」


戻ってきたけんちゃんは鍵をテーブルに置き、私の座るソファーに座った。


「お腹空いたんじゃない?なんか何がいいかわかんなかったから適当に買ってきたけど、一緒に食べよう」


けんちゃんはコンビニのおにぎりやお菓子、ラーメンを袋から出してテーブルに並べる。


「今この辺り探してきたんだけど荷物見つかんなくってさ。あ、そういえば場所聞いてないまま出てきたなって思い出して戻ってきたんだ」


けんちゃんは笑って言った。


私の為にわざわざ
荷物を探しに行ってくれていたんだ―――――


「…すいません。迷惑かけてしまって…」



「いやいや!俺が勝手に探しに行っただけだよ。はい、これ食べて」



そう言うとコンビニのおにぎりを開け私の手に持たせてくれた。




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