ADULT CHILDREN
勝手に口が動いた。

どんどん嘘が出てくる。



「おばあちゃんいたら大丈夫なの?」


「うん!お母さんはばあちゃんがいたら何もしてこないから」


「そっか…」


紗枝はそれが嘘だなんて
きっと全然気づいてなかった。


「…紗枝、けんちゃんに何回も告白されたんでしょ?」


「うん」


「けんちゃんの事好きじゃないの?」



聞いておきたかった。

諦めなければならないと想いながらも
僅かな希望を探したのかもしれない。


だけど


「…最初はほんと無理って思った。援交相手だし歳離れてるし。でも、昨日付き合ってもいいかなって思った。なんか安心できた…傍にいてくれて」



そこに希望は見つからなかった。


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