ADULT CHILDREN
「ここどこ?」



「わかんない」



話が一段落したところで俊は近くのコンビニで道を聞いてくると道路沿いにあるコンビニへ車を走らせた。



「わかった?」



戻ってきた俊は右手で拳を作り親指を立てばっちりだと合図する。



車に乗って一時間。
けんちゃんの事を忘れられたのは最初の十五分間だけだった。
忘れたいと思えば思う程、記憶を呼び覚ます。



忘れたい――――



はやく忘れたい―――――――――



―――――――――――もう思い出したくない




俊の話など、耳に入らなかった。
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