ADULT CHILDREN
18歳の冬。
私の仕事は夜ひとつになった。
仕事はとても順調だった。
オーナーに言ってなるべく同じテーブルにみちるさんと入れるようにしてもらった。
毎日太陽が昇りきった頃に目覚め、シャワーを浴びて髪をセットして普段の何倍も濃い化粧をする。
お客様に電話をして1日の予定指名本数を把握し、毎日夕方前に同伴のお客様とデートしてお店に入る。
仕事が終わればアフターで食事に行ったり、カラオケやバーに行ったり。
家に帰ってくるのは日が顔をちらつかせる頃。
おかげでお客さんは沢山お店に来てくれた。
人前でぶりっ子する事も平気になり、おじいちゃんやおじさんと並んで歩く事に何の抵抗もなくなった。
次第に気づいていった。
店の女の子は本当に仲が良いわけじゃない事。
みんな仮面を被っている。
表面だけの仲。
それでもよかった。
それを苦痛には感じなかった。
みちるさんだけ仲良くしてくれれば他はいいやと私も表面だけの付き合いを通した。
夜の世界は昼のバイトとは違う。
仕事の時間だけが仕事ではない。
目が覚めた時から仕事が始まり、眠りに着くまで終わらない。
プライベートなんて、あるようでないようなもの。
最初の頃、それがきついと思っていた私も気づけばそれに慣れを覚えていた。
むしろ、プライベートなどなくていいと思っていたから。