ADULT CHILDREN
佐藤さんの背中を見つめて次に言う言葉を考えていた。


答えは決まっていた。


もしも今日その事を聞かれたら何と答えるのか。



「結婚したい?」






「うん」






「結婚してあげてもいいよ」





「本当に!?」





ベッドから飛び起きた佐藤さんは体を私に向ける。



「まだ完璧に信じてるわけじゃないけど。でも結婚する。結婚、したい」



佐藤さんは口をぽかんと開け、目を見開き唖然としていた。



「俺の事好きなの!?」



「好きじゃなかったら結婚しないでしょ」




「お、おっしゃー‼」



一度だって抱く事ができなかったクロに抱きつき、佐藤さんはまるで子供のようにはしゃいだ。



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