ADULT CHILDREN
祖母はいつもうちの家の事を考えてかあまりご飯を食べなかった。


母と二人暮らしになってからはより一層。


母が居ない間に、母の家に私が祖母へ会いに行った時の事だ。


祖母は母が残したものをいつも食べていた。それが夕食の残り物ならまだいい。


もう賞味期限が切れたものや、いつ冷凍したかわからないもの。

酷い時は胡瓜だけしか食べない日もあった。


それを見て私は祖母によくうちに来させてお昼を食べさせるようにしていた。



勿論母にも、毎日祖母はこんなものしか食べていないのだからお昼くらいしっかり食べさせてあげてと伝えた。



でも、母の事だから聞くわけがなかった。




そして入院当初。


祖母の診断結果は癌だけではなかったのだ。



「過度の栄養失調」


今の時代にそう診断されたのだった。
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