ADULT CHILDREN

祖母の話はいつもの10分を過ぎても続いていた。


祖母が早く良くなるようにと近くの神社でお参りをしてお守りを買って母の家に送っていた。


しかし、ちょうど再入院の日に届いたらしく、祖母が受取ることができず母に届けるよう頼んだらしい。



私はそのお守りと一緒に手紙を入れていた。



祖母が病気になったのに自分の幸せを選んでごめんねという内容や、もしも困ったことがあったときは何でもいいから頼って欲しいという事。



小さな頃からいつも祖母と話していたいつか二人で北海道へ雪を見に行こうという約束を退院したら果たしに行こうという事。


あとは、もし本当に母といる事が辛くなり、介護が必要になったらいつでも自分を頼って欲しい。私に祖母の世話をさせてほしいと。


そんな事を書いた手紙をきっちり封を閉めて送っていた。

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