ADULT CHILDREN
それでも祖母は私に笑顔を見せる。浩人を見て微笑んでみせる。



「どうして帰ってきたの?」



自分の身の事を知らされていない祖母の問いに同窓会があるんだと答えた。




その日から、母の家に泊まる事になった。

母の家は祖母がいなくなったせいでとても汚れていた。


私は毎日祖母の変わりになった。

掃除をしてご飯を作ってお風呂を沸かす。


母は思い出したようにまた嫌味をぶつけてくる。



あんたは私を捨てた。

ばあちゃんのとこに行くのが疲れる。

私だけしか頑張っていない。

私が一番可哀想。



そしてそれに加え父の文句を言ったり、お金がないからと食費をすべて私に出させてみたり、買い物に行く度あれを買えこれを買えとせびり、誕生日にはテレビが欲しいとか。
そんな無理な要求までしていた。

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