ADULT CHILDREN
母は友人の前で涙こそは見せなかったものの、お得意の自分はこれまで頑張ったというような言葉を連発していた。



「もっと親孝行すればよかったって思うけど、親孝行ってどんなにしてもし足りないって言うしね」


「本当にしんどかったけど、私も肩の荷がおりた」


「母もきっと私に感謝してくれていると思う」




そう言う母に友人達は言葉を重ねる。


「よく頑張ったね」


「尊敬する」


「これから何かあったら言ってね」



「お母さんも絶対感謝してるよ。」



頷く母を横目で見ていた。
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