ADULT CHILDREN
「俺、別れたんだ」


彼が
私にどんな答えを求めていたのかわからなかった。


「へぇ……」


「もう彼氏できた?」


なんでそんな事聞くんだろう。


「ごめんね」


彼が視線を落として謝ってきた事になぜか慌てて
私は咄嗟に返事をする。


「いいよ!もう気にしてないから」


確かに辛かった事は事実だったけど、
家庭内でそれ以上に苦しい事がありすぎて
フラれた苦しみなどとっくに消えてしまっていた。



「本当に?」


「うん」


「よかった」


嬉しそうに笑窪を浮かべた彼を見てどこか安心していた。


その後彼は特に何を言う訳でもなく、じゃあねと帰っていった。

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