ADULT CHILDREN



「よく来れるわよね」


「どういう神経してるのかしら」




親戚達は父が来た事に対してそんな言葉を並べた。


子供としてそれを聞くのはやっぱり辛かった。


父が憎くてたまらない。


なのに、他人に父の文句を言われるのはどこか悲しい。



私は親戚達が何を言ってもそれを聞き流すようにした。



葬儀中、まだ幼くじっとしていられない浩人を外で見ていてくれた旦那が葬儀後、私の元に来た。



「お父さん来てるね」


「…うん」



父には母が亡くなった事は一緒に住んでいる修平が教えていたものの、葬儀の日取りや場所までは教えていなかった。


どうやら父は自分で色んな葬儀場に連絡し、母の葬儀場を探し当てかけつけたらしい。

< 695 / 719 >

この作品をシェア

pagetop