ADULT CHILDREN


「お父さんと何か話した?」


「いや、頭下げたらお父さんも下げてくれたけど、何も話したりはしてないよ」


「…そう」


これから火葬場に向かうという中で旦那に聞いた。


母を乗せた車には雄太が同乗し、私と修平は旦那の車に乗り込む。



黒塗りのリムジン、私達の乗った車、親戚達…と車を列ばせ出発の時、辺りに大きなクラクションの音が鳴り響いた。



そのクラクションを鳴らしたリムジンの側で、母の友人等、葬儀業者の人等に混ざり父が合掌していた。



その姿はどこか小さく悲しげに見えた気がした。

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