ADULT CHILDREN
4歳。

その歳にして母の顔色を常に伺っていた。


母の機嫌が悪い時はいい子にしなければ、
これ以上機嫌を損ねてはいけないと
部屋を片付けたり
お風呂掃除などの手伝いをした。


だけど、そんな事をしても母の機嫌がよくなる事はない。


部屋を片付けても、お風呂掃除をしても


「ありがとう」


そんな言葉は出てこない。


母の口から出てくるのは深い溜め息。


「はあ…なんでもっとちゃんと出来ないの?」


頑張っても頑張っても母は私を決して褒めない。

むしろ、私の働きかけは当然と言うような態度だった。


でもそれが雄太なら話は別。


雄太の事は思いっきり褒める。

私の前で。


「雄太は本当に優しいのね。お姉ちゃんとは大違い。」


その光景を目にする度
胸を傷めた。


お母さんは私の事が嫌いなんだと。

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