ADULT CHILDREN
「そっか!そうだろ?そうだと思ってたんだよ!」


コウは照れているのか私から顔を背けて言った。


「そうなの?私はわかんなかったよ」



本当にこの時までコウの気持ちがはっきりわからなかった。


電話をしても友達と話すような事しか話さなかったし、噂では学校ではモテモテで色んな人から告白されているとも聞いていたから。



一緒にプリクラを撮ったり、たまに手を繋いだりもしたけどその時も恋人って雰囲気ではなくて、友達としてという感じだったから。


ドキドキしていたのは
自分だけだと思ってた。



「そうなの?」


「うん」


頷いてコウを見ると目が合って、
なんだか恥ずかしくて噴出してしまった。



それに釣られるように笑うコウと二人して笑った。



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