嘘つきな私と素直な君
「ねえ、有沙もそう思うでしょ???」
いきなり名前を呼ばれたもんだから
驚いて立ち上がってしまった。
みんながいっせいに私を見る。
「有沙…???」
「え…あっごめんごめんっ」
視線から避けるようにして
私は席についた。
「でさーほんとに結城君が浮気してたらしくてさー」
「うっそー!!!最悪ぢゃんっ」
「ほんとだよねー」
今の話題は、結城君の事らしい。
「結城君ってさ、見た目はカッコいいけど
性格とか悪そうぢゃない???」
そう言って私を見た美枝。
私に言うなよぉ―…。
「うーん。まぁ―…ね」
「でしょ??だからさーやっぱり?って感じ!!」
美枝は探偵のように
目を輝かせて言う。
「てかさ、有沙もよくあんな人の事
好きになったもんだよねー」
…ズキン…
「しょ、しょうがないぢゃん!!!
好きになっちゃったんだし??」
「まぁねー…」