嘘つきな私と素直な君



「ねえ、有沙もそう思うでしょ???」



いきなり名前を呼ばれたもんだから
驚いて立ち上がってしまった。


みんながいっせいに私を見る。



「有沙…???」


「え…あっごめんごめんっ」



視線から避けるようにして
私は席についた。



「でさーほんとに結城君が浮気してたらしくてさー」


「うっそー!!!最悪ぢゃんっ」


「ほんとだよねー」



今の話題は、結城君の事らしい。



「結城君ってさ、見た目はカッコいいけど
 性格とか悪そうぢゃない???」



そう言って私を見た美枝。

私に言うなよぉ―…。



「うーん。まぁ―…ね」


「でしょ??だからさーやっぱり?って感じ!!」



美枝は探偵のように
目を輝かせて言う。



「てかさ、有沙もよくあんな人の事
 好きになったもんだよねー」



…ズキン…


「しょ、しょうがないぢゃん!!!
 好きになっちゃったんだし??」


「まぁねー…」






< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop