You are Loved by me.
『祐樹っ!』
『うわっ…びっくりした…』
『えへへ~♪』
渡辺 祐樹…当時、高校1年生。
春菜 琴美…当時、中学3年生。
同じ中学の先輩で、あたしが中学2年のときに1こ上の先輩だった。
『一目惚れだったんだ。…俺と付き合ってください。』
まっすぐな瞳に心を打たれ、すんなりとOKをしたあたし。
一目惚れなんて、どうせ軽い先輩なんだろうとか思ってたけど、
実際はすごい純粋で、優しくて。
そんな祐樹に惹かれていったあたし。
『今日ヒマ?久々に遊びに行こうよ!』
『おっけー。じゃ、1回琴美んちに行くか!』
『うん!』
あたしの家から中学はちょっと遠くて、毎日電車。
祐樹の高校と方向が一緒だったから、登下校とか、よく同じ電車に乗ってた。
…このときも。
『お邪魔しまーす』
『大丈夫だよ、誰もいないから…』
両親共働き。
帰ってくるのは、いつも夜中。
ほとんど顔を合わせなくて。
だからあたしは、祐樹という存在がとても必要で、大切で。
…失いたくなかった。