You are Loved by me.



『祐樹っ!』

『うわっ…びっくりした…』

『えへへ~♪』


 
渡辺 祐樹…当時、高校1年生。
春菜 琴美…当時、中学3年生。

同じ中学の先輩で、あたしが中学2年のときに1こ上の先輩だった。


 
『一目惚れだったんだ。…俺と付き合ってください。』


 
まっすぐな瞳に心を打たれ、すんなりとOKをしたあたし。
一目惚れなんて、どうせ軽い先輩なんだろうとか思ってたけど、
実際はすごい純粋で、優しくて。

そんな祐樹に惹かれていったあたし。


 
『今日ヒマ?久々に遊びに行こうよ!』

『おっけー。じゃ、1回琴美んちに行くか!』

『うん!』


 
あたしの家から中学はちょっと遠くて、毎日電車。
祐樹の高校と方向が一緒だったから、登下校とか、よく同じ電車に乗ってた。

…このときも。


 
『お邪魔しまーす』

『大丈夫だよ、誰もいないから…』


 
両親共働き。
帰ってくるのは、いつも夜中。

ほとんど顔を合わせなくて。

だからあたしは、祐樹という存在がとても必要で、大切で。

…失いたくなかった。
 
< 3 / 11 >

この作品をシェア

pagetop