You are Loved by me.
ものすごい形相で、汗をダラダラと流しながら化粧が悲惨な状態になっている凛。

…これがいわゆる「顔面土砂災害」?



「顔面土砂災害はいいから!!!」

「え、聞こえてた!?」



それから凛は何も言わなくなって、掴まれていない反対の腕を掴んで引っ張った。



「ご迷惑をおかけしました。」

「ちょ、凛!?」



ものすごい力で引っ張られて、掴まれていた腕はほどける。
あたしは咄嗟にその人のほうを見たが、もうすでにいなくなっていた。


…ちょっとだけ…祐樹に似てた…。



「ったく。急に走り出さないでよ。焦ったんだから。」

「ごめん……」



あたしは不覚にも、「もう1回会えれば良いな」とか思ってしまったのだった。











「琴美…ね。」
 
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