あまいの。
花かざり(5頁)
「さっちゃん」
柔らかい声と共に頭上から降ってきたのは、綺麗に編まれたシロツメクサの花かんむり。
振り返ると、そこにはたくちゃんのいつもの笑顔があった。
「たくちゃん!」
彼の特技の一つだった、花のかんむり。
丁寧に編まれたそれは、決してほどけることがない。
ぶきっちょなあたしの代わりに、たくちゃんはいつもあたしにそれを編んでくれた。
「だいすきだよ、さっちゃん」
…ありったけの笑顔と、最上級の言葉付きで。
【花かざり】