あまいの。


「イインチョーさぁ、俺のこと好きやろ?」


放課後。

日直。

二人きり。


そんなお決まりのシチュエーションになって…あ、イインチョーっていうのは本名"数原喜美子"っていう風紀委員長のことね。

今目の前にその数原イインチョーがおるんやけど、もうさっきからガッチガチに緊張してて。


俺と二人っきりなのが怖いんかな。それとも俺が嫌いなんかな。

まぁしゃべったことまともに無いし。

俺が風紀チェックの時にイインチョーに注意されたくらいかも。


何やったっけ?そうそう、


『髪の色はもっと暗くしてください。』


…やったわ。


話は戻るけど、イインチョーはその緊張してるの隠そうとして、すっごいそっけなく返事しとるけど。

バレとるねんな。

肩にめちゃくちゃ力入ってるし。

目一切合わせへんし。


やからちょっと意地悪したくなって、言ってみた。


『イインチョーって俺のこと好きやろ?』


面白半分。

どんな反応するかなって。


…そしたら。


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