Life Get Of Past
 夢を叶える為には、この屋敷を出なければいけない。しかし、王と自分の立場は一目瞭然で、この命が絶対という事は知っている。

「俺は、一体どうすれば良いんだよ……」

「ルイス様?」

 自分の名前を呼ばれ、ルイスはふと我に返った。ドアの近くに、奇抜な色の髪を持つ少年がいたからだ。

「イオンじゃんか!」

 ルイスの名を呼んだのは、イオンという名の少年だった。イオンは、ルイスと差程変わらない年齢でありながら、ルイスの護衛用人として働いている。

 ルイスにとってイオンは、母と同等の数少ない信頼を置ける人物である。

「イオン、どうしたんだよ?」

「いえ、夕食が出来ましたので、ルイス様を呼ぼうと思いまして」

 今日のご飯はハンバーグですよ、とイオンは付け足しながらルイスを食堂に誘う。しかし、ルイスは食堂には向かわなかった。
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