Life Get Of Past
「そ、そんなに嫌な方なんですか? それに、そのセスタスとレガーズ……」

 イオンはルイスが持っている、セスタスとレガーズに目をやった。すると、ルイスは慌ててそのセスタスとレガーズを戸棚に入れ終い込んだ。

「ルイス様?」

「え、えっと何でも無いからな」

 そう言い、ルイスは押し入れの引き出しをしまう。それを不思議に思ったイオンであったが、あまりにも隠そうとするルイスに、これ以上の追求は可哀相だと思い、イオンは言及しなかった。

「ルイス様、夕食は如何致しましょう?」

「食わないから。あいつと結婚というだけで、食う気が失せるよ」

 そう言い、ルイスは今夜の夕食を食べない事を決めたのだった。大好物のハンバーグが喉に通らない程、婚約の事が気に食わないのだろう。

「分かりました。では、ルイス様のお膳は取下げておきますね」

 イオンはそれだけ言うと、くるりと向きを変え、部屋を出ようとした。
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