Life Get Of Past
「ま、まずい……」

「ルイス様、さあお戻り下さい」

 イオンの、静かだがどこか芯のある声色が、夜風によってルイスに辿り着く。やはり、イオンはルイスを見逃す事をしないようだ。

 さて、どうしよう。このままでは、家臣達に見つかって屋敷送りになってしまう。それだけは、絶対に避けたい所だ。仕方ない、強引な方法をとろうとルイスは考えた。

 ルイスはイオンの近くに寄ると、そのままイオンの手首を掴み、無言で茂みの方へ連れ出した。

 ルイスが帰るかと思い油断をしていたイオンは、ルイスに連れられたまま、茂みの方――郊外へと足を運んだ。



 
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