流れ橋

梅雨明け

外は、雨音が聞こえてくる。

雨は、一晩中やみそうにない。

湿気た空気が、部屋にひろがっていくのを感じた。

わたしは、毛布を体からはぎとり、そして目を閉じた。

いつの間にか、眠っていた。


数日後。

テレビの夕方ニュースで、お天気お姉さんの声が、

梅雨明けを宣言していた。
宣言したその日から、
雨は止み、快晴が続くようになった。


あじさいの花も見掛けなくなってから

葉っぱの緑が目につく。まぶしいくらいだ。
本当に梅雨があけたんだなぁと、しみじみ感じた。

「これから、夏本番に向けてあつくなるからねぇ」

そういって、わたしは、教科書で空を扇いだ。
「あー、どうしよう。この時期!」朋子は、顔を思いきりしかめている。手に持っているぺんを、力をこめて回している。
そのぺんが、とうとう朋子の手から離れ、あたしの足下まで、とんできた。

「日本には、四季があるから、しょうがないよ。」

わたしは、片手でペンを拾いあげ、朋子に渡した。

「藍子、わたしは、この季節の話をしてるんじゃないよ。」

「テストと花火大会のことだよ。なぜ、重なるかな。毎年、この時期に。」

そういって、朋子は、顔をしかめていく。
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