流れ橋
そばにあった、わたしのジュースを全部飲み干して、机に顔をうずめた。

「もう、それ、わたしの!」

朋子を責めつつ、わたしも教科書を置いて、天井を見上げた。

確かに、体から力がむけていく気分だ。

そう、わたしたちは、テストがもうすぐはじまる高校生だった。

そのために、今日は、わたしの部屋で、二人勉強していた。

運が悪いのか、花火大会を運営する大人たちの策略か、

花火大会は、高校のテスト期間とかさなっていた。

わたしも朋子もこの花火大会が大好きで、毎年何が何でも、花火を見に行っていた。

この花火大会。毎年、地元の海岸に特別に、打ち上げ場所を作って、花火を打ち上げていた。

梅雨があけはじめると、トラックやらクレーン車が、何台も市内からやってきて、海のある方向に走っていくの見たことがあった。

わたしは、この光景を目にするといつも自分の胸がワクワク、ドキドキするのを感じていた。

花火をみる人は、みんな砂浜からみるのが、この花火大会の特徴だった。この日の為に、海の家なんかは、3日くらい前から準備するらしく、当日は、予約客でいっぱいだった記憶がある。

そして、波の音を聞きながら空を見上げるのである。

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