流れ橋
そのくらい、気合いを込めて、

毎年、花火大会に行っていた。

しかし、残念ながら高校のテストにも、

それなりに力をそそがなくてはいけなかった。

ここで、浮かれていたら、夏休みに、あのツライ補習が待っている。

思い出すこと。1年前。

わたしと朋子は、高校に入ったばかりで、

とにかく浮かれてまくっていた。

その結果、テストで赤点を3から4つとるほどの悲惨な状態に陥ったのである。

その年の夏休み。
ほぼ、毎日補習の為に学校に通っていた。

夏休みも始まらないうちに、

ほんの一瞬で、楽しかった出来事は、

終わり、後は、地獄の毎日だった。

扇風機の首が、自動的にまわっている。

梅雨明け宣言日から、気温は、ぐんぐんあがっていた。

わたしの部屋には、クーラーはなく、うちわとこの扇風機だけだった。

「とにかく、去年のようになることだけは、避けようよ。」

わたしは、うちわで朋子を励ますように扇ぎだした。

「そのために、ウチで集まって、勉強してるんだし。」

「そうだね。」朋子は、机から顔を上げた。
汗で教科書がしめっていた。

「この何日かを乗り切るかで、勝負は決まるよね。」
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