流れ橋
部屋は、窓を開け放し、扇風機を、強にしてまわしていたが、

わたしは、額から汗がふきだしていた。

この嫌な感じ。

予感が的中した。

朋子の携帯を手にとって、メールを開く。

《こんばんは(^_^)vやっと、梅雨明けたね。ところで、地元の花火大会に毎年、有川と一緒に行ってるだろ。今年は、俺らも一緒では、だめかな?俺と田中俊。知ってるやろ?田中のこと。返事待ってます。では(^o^)/》


わたしは、心の中で冷や汗をかいていた。

動悸がする・・もっと、感動的な出来事で、胸がくるしくなるならドラマチックで素敵だが、

こんな、ドキドキはごめんだ。そう思った。
「ナニコレ、つまりあれ、4人で行くってこと?」わたしは、顔をあげ、平静を装いながら聞いた。

メールを読んでる間、ずっと、朋子の携帯についている、四ツ葉のクローバーのストラップを撫で続けていたので、ストラップは、てあかで汚れてしまっている。

「藍子、俊くん知ってるでしょ?私ら、2年間も同じクラスだったやん。」

朋子は、期待で胸がいっぱいという顔をしていた。

「わたしは、中学の時話し、したことなかったから。よく分からない。」
わたしは、声が段々小さくなっていた。
< 18 / 201 >

この作品をシェア

pagetop