流れ橋
「なんか、これ前にももらった。」わたしがいった。

「今ここで、飲んでもいいわよ。今日で、テスト最後ね。頑張るのよ。」姉は、いった。
わたしは、ドリンクを一気飲みし、飲み終ったビンを姉に渡した。
「なんか、お母さんっぽい話し方。そっくり。」わたしがいった。
「にてて、当たり前でしょ。家族なんだから。行ってらっしゃい」姉は、いつものとおり手を振り見送ってくれた。

わたしは、「行ってきます」と同時に、自転車をこぎだした。

家をでてすぐ川が見えてきた。わたしは、急にドキドキしてきて、苦しくなってくる。

そして、流れ橋を渡る時、昨日の出来事が、鮮明に蘇ってきた。

あのメールで、田中くんにわたしの気持ちは伝わっただろうか。

橋を渡る際、ガタガタとゆられていく。
わたしは、自転車のペダルを強く踏み込んだ。

駅に着くと、早速朋子を見つけた。

わたしが、大きく手を振ると、小さく手をふりかえした。
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