流れ橋
朋子は、泣きながら言った。

わたしは、すぐ昨日田中くんから聞いたことを、朋子に話した。

「そんな。どうしよう、藍子。」朋子が、言った。

「大丈夫だよ。きっと先輩、自分から言いたかったんだよ。今頃、きっと反省してると思うよ。」それから、わたしは、学校につくまで、朋子を励ましていたので、自分のことを話すことを忘れてしまっていた。

「まっいいか。」それから、わたし達は、最後のテストを受けた。
自信のない数学だったけど、これなら赤点は大丈夫そうな結果だった。

帰り道、朋子に昨日あったことを全て話した。

最初、信じられないような顔をしていたが、上田が頭を下げて謝ったことを話すと、自分のことのように怒っていた。

「今更、謝ったって遅いよ。許したなんて藍子は、ホントにお人好しなんだから。」朋子がいった。

「いいんだ、もう。なんか、スッキリしたから。」わたしは、晴々とした気持ちでいた。
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