流れ橋
わたしが、そういうと、朋子がニヤニヤしている。

「そういえば、俊くんとはどうなったの?何か、進展はあった?」朋子が聞いてきた。

「何もないよ。わたし達は。それより・・」ふと、前を見ると、先輩が駅の入り口に立っていた。こちらをチラチラ見ている。

「わたし、今日またお父さんの病院に行かなきゃならないんだ。ごめん。じゃ、ここでね。」わたしは、言った。

「絶対、大丈夫だよ。」そういって、走って駅にむかった。

先輩とすれちがう時、「なんか、昨日は、ごめんな。」と先輩が謝ってきた。

わたしは、笑顔で「朋子と、早く仲直りしてくださいよ。」と言い残して、走った。

「分かってる。」先輩の返事にわたしは、思わずにっこりしてしまった。

駅のホームから、二人の姿が見えた。

ここから見ている範囲では、かなりいい雰囲気だ。

「ダァー」わたしは、大きく背伸びをした。
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